「物を大切にする」心 「人を大切にする」訪問診療
- a05m100
- 10月23日
- 読了時間: 3分
更新日:10月24日

こんにちは(^_^)/ 事務の田中です。
前回のブログでは経営資源「もの」を作成しましたが、
今回は少し視点を変えた「もの」をお伝えしようと思います。
訪問診療の仕事では、患者様のご自宅という「生活の場」に上がらせていただく中で、
様々な気づきがあります。
その一つが「物を大切にする心」と「人を大切にする関わり」の間に、
深い繋がりがあるということです。
訪問診療は「医療」であると同時に、
患者様が住み慣れた家で「生活」し続けることを支える役割を担っています。
この「生活」に深く関わる中で、私たちは医療行為だけでは見えない患者様の価値観や人
生そのものに触れることになります。
その人らしさが宿る「もの」たち。
患者様のご自宅に一歩足を踏み入れると、その空間は人生の物語を静かに語りかけてきま
す。
・長年愛用されてきた家具。
・趣味で集めた大切なコレクション。
・家族との思い出の写真。
・愛読してきた書籍
・手書きのメモや日記。
・大切な方がいる仏壇。
これらは単なる「もの」ではありません。
それぞれが患者様の歴史であり、個性であり、愛着の対象です。
訪問診療スタッフは診療に必要なスペースを確保するために、時には私物に触れることも
あります。その際、私たちは患者様が大切にしている「物」に対して、最大限の配慮と敬
意をもって接します。
物が置かれている配置、使われている状態を見るだけでも、「この方はどんなことを大切
に生きてきたのだろう」という背景を垣間見ることができます。この「物への敬意」は、
そのまま「その人を形作るものすべてへの敬意」へと繋がっていくと思います。
「大切にする」という共通の価値観。
患者様にとって、物を大切にするということは、自分自身の過去や人生を肯定し、大切に
することと同じ意味を持つんではないでしょうか。
そして、私たち訪問診療スタッフが患者様と関わる上で最も大切にしていることも、まさ
に「その方自身の価値観や生き方を尊重し大切にする」ことです。
患者様の「こう生きたい」という希望。
ご家族の「こうしてあげたい」という願い。
長年築き上げてきた生活習慣やこだわり。
これらはすべて、その方の「生きる上での大切な宝物」です。
私たちは医療的な専門知識を提供するだけでなく、こうした一つひとつの価値観に耳を傾
け、寄り添い、その人らしい最期までを支えることが本質だと考えます。物を粗末に扱わ
ない心と同じように、患者様の「心」と「人生」を粗末にしない、丁寧で温かい関わりが
求められます。
先日、ある老人憩いの家(公民館)で見つけました。
広告チラシ、百貨店やお菓子の包装紙など廃材を使った十二支!
「私らはな。戦争戦後を経験したから、物を大切にすることが体に染みついてんねん」
私のような若輩者には想像ができない人生。
とても深い言葉でした。
★ARIGATOU★



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