声でつながった感動の再開
- a05m100
- 8月22日
- 読了時間: 2分
「もしかして、喜来さん?」3年ぶりに声で繋がった感動の再会
こんにちは!喜来です!
私事ですが、先日、懐かしい友人と再会しました。久しぶりに自分の名前を呼ばれたとき、とても嬉しい気持ちになりました。そのことをきっかけに、11年間の看護師人生の中で心に残っている出来事を思い出したので、今日はそのお話をしたいと思います。
僕は、もともと病棟で看護師をしていました。毎日たくさんの患者さんと出会い、退院を見送る日々。どの出会いも大切なものですが、忙しい日々に追われ、記憶は少しずつ薄れていってしまいます。
そんな僕が、病棟から心臓カテーテル検査室へ異動してまもない頃。その日の担当患者さんのカルテを見て、僕は驚きました。3年ほど前、病棟で2日間だけ担当したことのある、全盲の患者さんだったのです。病棟にいたときから、視覚以外の感覚がとても鋭い方だと感じていました。
ベッドサイドに行き、「〇〇さ~ん、こんにちは」と、いつものように明るく声をかけました。患者さんは少し緊張した面持ちでしたが、僕の声を聞いた瞬間、表情がふっと緩みました。そして、信じられないことに、僕の名前を呼んでくれたのです。
「もしかして、喜来さんですか?」
その言葉を聞いた瞬間、胸が熱くなりました。3年も前の、たった2日間だけ担当した僕のことを、覚えていてくれたなんて。全盲だからこそ、僕の声のトーンや話し方を覚えていてくれたのかもしれません。
検査後、「覚えていてくださったんですね」と話しかけると、患者さんは「喜来さんにはよくしていただいたので、覚えていますよ」と答えてくれました。この言葉に、僕は改めて気づかされました。僕は、ごく普通の看護師として、目の前の患者さんと向き合っていただけだと思っていました。でも、患者さんにとっては、僕がその人自身と真剣に向き合っていたことが伝わっていたのかもしれません。
顔が見えていれば、「どこかで会ったことがあるな」と感じることはあるかもしれません。しかし、声だけで僕の名前を正確に呼んでくれたことに、心底驚きました。
この出来事は、僕にとって忘れられない経験となりました。一期一会の出会いを大切にし、一人ひとりの患者さんと真摯に向き合うこと。これからも、この気持ちを忘れずに、訪問診療の現場でも利用者さんの生活を支援していきたいと思います。



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